SGLカーボン―生産拠点統廃合へ―

炭素製品大手の独SGLカーボンは25日の決算発表で生産拠点の統廃合方針を打ち出した。コスト削減策の一環で、トルステン・デル社長は年商10億ユーロの企業が世界に21もの工場を持つのは分不相応だと明言した。

同社は昨年10月、収益力強化方針を打ち出した。2023年までにコストを1億ユーロ以上、圧縮する計画。各事業の責任を明確化するとともに、調達から生産、販売、管理に至る全分野で見直しを行う。これに伴い従業員(4,800人)の約10%に当たる500人を整理する意向で、すでに約300人を削減した。20年末時点ですでにコストを約4,000万ユーロ圧縮した。

20年12月期の営業利益(EBITDA、調整済み)は9,280万ユーロとなり、前期を21.5%下回った。コロナ禍で需要が大幅に減少したことが響いた格好で、売上高は15.4%減の9億1,940億ユーロへと縮小。10億ユーロを割り込んだ。

純損益は1億3,220万ユーロの赤字となり、赤字幅は前期の9,000万ユーロから膨らんだ。リストラ費用と炭素繊維・複合材料(CFM)部門での評価損計上が響いた。

21年12月期は売上高で9億2,000万~9億7,000万ユーロ、営業利益で1億~1億2,000万ユーロを見込む。

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