ドイツ連邦陸運局(KBA)がこのほど発表した1~2月の環境対応車(乗用車)の新車登録台数は13万4,044台となり、前年同期比で128.6%増加した。欧州連合(EU)の二酸化炭素(CO2)排出規制強化を受けて各社が純粋な内燃機関車の販売を減らしているほか、独政府が電動車の購入補助金を拡大したことが大きい。乗用車の新車登録全体に占める割合は前年同期の16.1%から2.3倍の36.8%へと高まった。
KBAは電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)、ガス燃料車、水素燃料車を環境対応車(オルターナティブ駆動装置搭載車)と定義。そのうちEVとPHV、FCVは電動車として国が購入補助金の交付対象としている。
各ブランドに占める環境対応車の割合をみると、スマート、テスラ、スズキ、ポールスターで100%に達した。これにボルボが91.0%、ランドローバーが85.8%、レクサスが83.3%、ホンダが79.8%、スバルが77.8%で続いた。日本勢はおおむね同シェアが高い。
スマート以外のドイツ車はアウディの68.7%が、BMWが57.2%、メルセデスが38.5%と全体の平均(36.8%)を上回った。これら3ブランドは大型のモデルが多いことから、CO2排出量を大幅に減らす必要があり、環境対応車の販売に注力している。
電動車の新車登録台数は前年同期比216.4%増の7万7,096台と3倍以上に拡大した。乗用車新車登録全体に占める割合は6.7%から3.2倍の21.2%へと上昇した。
同割合はスマート、テスラ、ポールスターの3ブランドで100%に達した。4位のボルボは47.9%と、大きく水をあけられている。5位はDSで35.3%、6位は起亜で32.9%だった。
日本車では三菱が25.5%と、全体の平均(21.2%)を唯一、上回った。そのほかはホンダが16.7%、日産が10.3%、マツダが7.0%、トヨタが0.8%、スズキが0.1%だった。
EVの新車登録で過去最高を更新したのはVW、スマート、ルノー、現代、テスラの5ブランドだった。VWでは197.6%増の9,316台と約3倍に拡大。同ブランド全体の12.5%を占めた。現代も298.4%増の2733台と急拡大し、同割合は25.5%に上った。