EMAがアストラ製ワクチンと血栓の「関連性」確認

欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は7日、英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンと血栓の因果関係について、ごくまれな副作用の可能性があるとの調査結果を公表した。

調査した症例の多くはアストラゼネカのワクチン接種後2週間以内の60歳未満の女性に発生しており、「非常にまれな血小板の減少を伴う血栓が発症する可能性がある」と指摘した。主として脳や腹部の静脈などに血栓が確認されたが、これまでのところ年齢や性別によるリスク要因は特定されていないとし、接種継続のメリットを強調した。

EMAが副反応の可能性があるとの調査結果を公表したことを受け、欧州ではアストラゼネカ製ワクチンの接種対象を50~60代以上などとする動きが広がっている。スペインとイタリアは7日、同ワクチンの接種対象を原則として60歳以上とする方針を発表。ベルギーも同日、55歳以下への接種を停止する方針を決めた。さらにオーストリアも8日、50歳未満にはアストラゼネカよりファイザー製が望ましいとの見解を示した。

アストラゼネカのワクチンをめぐっては、すでにドイツとオランダが60歳未満、フランスも55歳未満への接種を停止している。また、アストラゼネカとワクチンを共同開発した英オックスフォード大学は6日、2月に開始した6~17歳の300人を対象とする治験を中断したと発表した。

上部へスクロール