廃プラの化学的リサイクルへ、省資源と焼却削減に向けBASFなどが協業

化学大手の独BASFと廃棄物処理大手の独リモンディス、廃プラスチックの再利用技術を手がけるノルウェー企業クアンタフューエルは21日、プラスチックごみの化学的リサイクルで協業する基本合意を締結したと発表した。リサイクルして再利用する廃プラの量を増やすことで資源を節約するとともに、焼却利用を減らす考えだ。

3社は廃プラから再生化学原料となる熱分解油を製造する設備に共同で投資する。同設備はクアンタフューエルとBASFが共同開発する。

設備の運営はクアンタフューエルが担当する。リモンディスから廃プラの供給を受け、熱分解油を製造。これをBASFが引き取り、自社製品に投入する。

BASFはリサイクルされた廃プラを2025年以降、年25万トン使用することを目標に掲げている。原料に熱分解油を使用した製品は第3者機関の認証を受けたうえで、「Ccycled」の商標で販売する。

欧州では現在、年およそ2,000万トンの廃プラがリサイクルされていない。3社は化学的リサイクルを、機械的リサイクルを補完するソリューションとして商業化することで、廃プラのリサイクル比率向上を目指す。

クアンタフューエルはデンマークのスキーベで、年産能力1万6,000トンの熱分解・精製工場を操業している。ここで培った技術を今後、活用する意向だ。BASFは19年、同社に2,000万ユーロを出資し、化学的リサイクル技術の開発を支援してきた。

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