ドイツのイエン・シュパーン保健相は22日、連邦参議院の答弁で、これまで設定してきた新型コロナウイルス用ワクチンの接種順位規制を6月には解除できるとの見通しを明らかにした。ワクチン供給量が急速に増えているためで、6月前に解除できる可能性も排除していない。
ドイツではコロナワクチンの接種が12月下旬に始まった。当初はワクチンの供給量が少なかったため、政府は市民を年齢、重大な基礎疾患の有無、職業に応じて4グループに分け、優先順位を設定。年齢別では80歳以上を第1優先グループ、70歳以上を第2優先グループ、60歳以上を第3優先グループに振り分けた。基礎疾患のない60歳未満の市民は医療関係者や警察官など感染リスクの高い職業従事者を除き、順位規制が解除されるまで接種を受けることができない決まりだ。
現在は原則的に第2優先グループ以上が接種を受けられる。ただ、血栓リスクがあるため人気のないアストラゼネカ製のワクチンについては同規制を緩和ないし解除する州があり、バイエルン、ザクセン、メクレンブルク・フォーポマーン、ベルリンの4州では希望すれば年齢に関係なく接種を受けることができる。
コロナワクチンの接種を少なくとも1回受けた人は21日時点で約1,729万人に達した。人口の20.8%に相当する。シュパーン保健相はこれが今月末までに25%、5月には33%に拡大するとの見方を示した。