ドイツ連邦統計局が4月29日に発表した3月の輸入物価指数は前年同月を6.9%上回り、2011年4月以来およそ10年ぶりの大きな上げ幅となった。世界的な景気回復を受けてエネルギーと中間財が大幅に上昇。エネルギーを除いた同物価の上昇率は3.0%だった。
エネルギーは56.7%上昇した。比較対象の20年3月はコロナ禍で価格が急落しており、その反動が出た格好だ。原油が100.5%増と全体を強く押し上げた。電力は上げ幅が113.6%と最も大きい。石油製品は36.6%、天然ガスは35.8%、石炭は6.3%だった。
中間財は8.0%の上昇。上げ幅は金属系で大きく、銅は53.8%、鉄鉱石は51.6%、非鉄金属鉱石は37.2%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金は17.8%に上った。
投資財は0.6%下落した。タブレット端末が5.7%、スマートフォンが3.9%低下。ノートパソコンは2.1%、自動車・自動車エンジンは0.9%上昇した。
耐久消費財も0.5%下がった。
非耐久消費財は0.1%高くなった。動植物性油脂が16.1%上昇。豚肉は19.8%、家禽肉は4.1%低下した。
農産物は4.5%上昇した。上げ幅は天然ゴムで48.0%、穀物で13.3%と大きい。豚は34.9%下落した。
輸入物価指数は前月比では1.8%上昇した。エネルギーを除いたベースでは1.4%増だった。
3月の輸出物価指数は前年同月を2.2%上回り、7年4月以来およそ4年ぶりの大きな上げ幅となった。前月比は0.8%増だった。