ドイツ連邦統計局が3日発表した3月の小売売上指数(2015年=100、暫定値)は物価調整後の実質で前年同月比11.0%増の123.0となり、統計を開始した1994年以降で最大の伸びを記録した。3月は店舗営業規制が緩和されたことから需要が急増した。比較対象の昨年3月はコロナ禍で厳しいロックダウン(都市封鎖)が導入されたほか、営業日数が1日少なかったことから、その反動も出た格好だ。
非食料品部門が17.5%増と大きく伸びた。繊維・衣料品・靴・革製品販売店は27.7%、デパートなど「総合的な小売店」は23.0%、家具・家庭用品・家電販売店は16.6%、本屋や自転車屋など「その他の小売店」は17.1%拡大。通販は42.9%増とこれまでに引き続き急増した。
医薬・医療品/コスメティック用品販売店は4.7%減少した。薬局やドラッグストアはロックダウンの期間中も店舗営業を認められてきたことから、反動増が起きなかった。食料品部門は2.9%増だった。
物価・季節要因・営業日数調整ベースの小売売上指数は117.6となり、前月を7.7%上回った。1月と2月の厳しいロックダウンで激減していた需要が規制緩和で一定程度、回復した。新型コロナの感染が国内で急拡大する直前の昨年2月(112.6)に比べても4.4%高い水準にある。
1~3月の小売売上は物価調整後の実質で前年同期を1.1%下回った。食料品部門は2.8%増加したものの、非食料品部門が3.5%減少。減少幅は繊維・衣料品・靴・革製品販売店で54.2%、総合的な小売店で24.5%、家具・家庭用品・家電販売店で21.0%、その他の小売店で12.4%に達した。通販は38.0%増えた。