独工作機械工業会(VDW)が17日発表した同国成形機業界の1-3月期の新規受注高は前年同期を9%上回った。コロナ禍で激減した需要がようやく回復してきた。VDWのヴィルフリート・シェーファー専務理事は「業界では顧客企業の景況感が明るくなっていることが数カ月前から感じられるようになっていた。ここにきてそれがようやく数字に反映された」と述べた。国外受注が25%増えて全体を押し上げた。
国内は9%減少した。比較対象の2020年1-3月期は大型受注の効果で国内受注が膨らんでおり、その反動が出た格好だ。
1-3月期の新規受注は19年1-3月期比では15%減少した。国内が足を強く引っ張った格好で、国外は10%増加した。
工場稼働率は現在83%で、直近の底である昨秋(67%)から16ポイントも回復した。
世界経済の大きな問題となっている部品・部材不足は工作機械業界にも及んでいる。VDWが加盟企業を対象に実施した最新のアンケート調査では電子部品の供給不足が「深刻」との回答が約50%に上った。鉄鋼・金属についても46%が「深刻」と答えている。
VDWは独工作機械業界の生産高が今年は前年比6%増の129億ユーロとなり、3年ぶりに改善すると見込んでいる。19年(170億ユーロ)と18年(171億ユーロ)に比べると依然として大幅に低い。