Ifo経済研究所が25日発表した5月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は前月から2.6ポイント増の99.2となり、2019年5月以来2年ぶりの高水準を記録した。新型コロナウイルスの新規感染者数の急速な減少を受けて感染防止策が各地で緩和され、小売店やサービス事業者の店舗営業が再開され始めたことが大きい。Ifoのクレメンス・フュスト所長は「ドイツ経済は回復してきた」との見方を示した。
今後6カ月の見通しを示す期待指数が3.7ポイント増の102.9と特に大きく伸びた。現状判断を示す指数も1.5ポイント増えて95.7となった。
部門別ではサービス業と流通業で改善幅が大きかった。コロナ規制の直撃を受ける宿泊・飲食、旅行業界でもようやく薄明かりが見えてきた。
製造業の景況感は小幅な改善にとどまった。同業界では世界経済の回復を受けてすでに景気が拡大しているためだ。現状判断指数が大きく伸びたのに対し、期待指数は大幅に悪化した。ただ、受注残高は増加。値上げを予想する企業が多い。
建設業では現状判断と期待指数がともに上昇した。急速な景気回復のしわ寄せで建材不足は深刻化している。