新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた人などに欧州連合(EU)共通の証明書を発行し、域内を自由に移動できるようにする制度の開始に向けた準備が進んでいる。欧州委員会は1日、ドイツ、ギリシャなど7カ国が先行して独自に制度の運用を開始したと発表した。
運用を開始したのはドイツ、ギリシャ、デンマーク、ポーランド、チェコ、ブルガリア、クロアチア。1日からEUのデータ管理システムにアクセスし、証明書を発行し始めた。
同制度では「EUデジタルCOVID証明書」と呼ばれる証明書をワクチン接種者とPCR検査で陰性の人、コロナに感染して回復した人に無料で発行するというもの。証明書はスマートフォンなどに保存されるデジタル方式と紙方式の両方で取得可能で、各国が取得者の入国時にQRコード化されたデータ(氏名、生年月日、接種したワクチンの種類、接種日や検査の記録など)をチェックする仕組みとなる。
EUでは全加盟国が7月1日から同制度の運用を開始することになっているが、7カ国は準備を前倒しで完了し、先行実施した。