ドイツ連邦統計局と連邦経済省が8日発表した4月の鉱工業生産指数(暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を1.0%下回った。減少は2カ月ぶり。半導体や材木など幅広い分野で原料、部材、部品が不足していることが響いた格好だ。経済省は企業景況感が良好なほか、新規受注も高い水準で安定していることを挙げ、製造業の景気の見通しは明るいとの見方を示した。4月の指数は新型コロナウイルス感染症の流行が同国で始まる直前の昨年2月に比べると5.6%低い。
鉱工業生産を部門別でみると、製造業は0.7%減少した。中間財が0.2%、投資財が0.1%、消費財が3.3%の幅で縮小した。
建設業は4.3%減と大きく落ち込んだ。急増した前月の反動と建材不足が反映されている。
鉱工業生産を特殊要因によるブレが小さい2カ月単位の比較でみると、3~4月は前の期の1~2月を実質0.6%増加した。建設業が6.6%増えて全体をけん引。製造業は0.5%減少した。自動車・自動車部品が5.6%、機械が0.3%落ち込んだ。
統計局は今回、3月の鉱工業生産を当初の前月比2.5%増から2.2%増へと下方修正した。