MAN―電気トラック量産の研修施設を開設―

独商用車大手トレイトン傘下のMANは9日、電気トラックの量産に向け本社所在地のミュンヘンに研修施設を開設した。電気トラックはエンジン搭載の従来型トラックと部品やアーキテクチャー、生産工程が大きく異なることから、従業員がリアルな環境下で電動トラック生産を理論と実践を通して学べるようにした。ミュンヘンでトラック生産に携わる全従業員に必要な知識と技能を2023年末までに習得させ、24年から量産を開始する意向だ。

「MAN・eモビリティ・センター」という名の施設を開設した。床面積は約4,000平方メートル。電気トラック生産の全工程をカバーしていることから、従業員は生産を実地に体験することができる。同センターで得られた知見は車両の開発と生産に直接、反映させる考え。

ミヒャエル・コブリンガー取締役(生産担当)は、ミュンヘン工場で将来、エンジン搭載トラックと電気トラックを同一の生産ラインで混流生産することを明らかにした。

MANは電気バス「ライオンズ・シティE」、電気トランスポーター「eTGE」をすでに量産している。一方、電気トラックは「eTGM」を一部の顧客向けに少量生産するにとどめている。価格が高いうえ、購入助成制度が整備されていないためだ。だが、今後は車両の低価格化や環境規制の強化を通して需要が拡大すると予想している。アンドレアス・トストマン社長は「欧州連合(EU)は16トン以上のトラックの二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに現行水準より30%削減することを要求している。これを達成できなければ巨額の制裁金支払いを科される」と述べ、メーカーは電動トラックの量産を速やかに開始しなければならないとの立場を表明した。

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