出勤しなくても業務を行える被用者に在宅勤務を義務付ける新型コロナウイルス対策の時限ルールを、ドイツ政府は延長しない意向だ。新規感染者数が大幅に減少したためで、ヘルガ・ブラウン内閣官房長官は経済誌『ヴィルトシャフツボッヘ』に、「法的なホームオフィス義務は6月末で失効する」との見通しを示した。
政府は新規感染者数が高水準に達した4月下旬、感染拡大防止策をドイツ全国で一律化することを柱とする時限法案を作成。議会で成立させ、速やかに施行した。その効果もあり、人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は4月26日の169.3人から今月16日には13.2人まで減少した。
在宅勤務を被用者に義務付けるルールは同法によって導入されていた。
政府は職場の感染対策についても規制を緩和する方向だ。労働省が作成した新型コロナ感染予防政令案をもとにロイター通信が報じたところによると、屋内で同時に勤務する社員数を制限するルールは廃止。人数を可能な限り少なくすることを求める勧告へと切り替える。出社するすべての社員に感染の有無を調べる抗原検査などを週に2回、雇用主が提供する義務や、社会的距離・衛生ルールは継続する。