独のコロナ復興計画を欧州委が承認

欧州連合(EU)欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は22日、ドイツのアンゲラ・メルケル首相を訪問し、同国の復興計画を承認したことを伝えた。ドイツは新型コロナウイルスの感染拡大で大きな打撃を受けた経済の再生に向けたEUの「復興基金」から資金を受け取ることになる。7月のEU閣僚理事会の承認を経て正式発効する見通しだ。

EUはコロナ禍で傷んだ経済の再生に向け、総額7,500億ユーロの復興基金を創設することを昨年12月に決定した。EUの高い格付けを利用して欧州委員会が市場で調達した資金を加盟国に補助金と融資の形で配分する。実際に調達する資金の規模はインフレを加味することから8,000億ユーロを超える見通し。フォンデアライエン委員長は戦後欧州の復興を支えた米国のマーシャルプラン以来の大規模な投資プログラムになると強調した。

加盟国が復興基金から受ける資金の使途は地球温暖化対策、デジタル化推進などの事業に限定されており、加盟国は事前に事業計画を欧州委に提出し、審査を受ける必要がある。受給額の37%以上を地球温暖化対策、20%以上をデジタル化に関する事業に投入しなければならない。

ドイツは2026年までに総額256億ユーロを受給し、その52%をデジタル化、42%を温暖化対策に投入する。コロナ禍が発生したことで行政、医療、教育機関のデジタル化の遅れが浮き彫りになったことから、これを解消する考えだ。温暖化対策の分野では電動車の補助金や充電インフラ、水素プロジェクトなどに資金を振り向ける。

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