ドイツ連邦統計局が29日発表した6月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比2.3%増となり、上げ幅は前月の2.5%から縮小した。エネルギーと食料品、サービスで上昇率が低下したことが大きい。昨年下半期のコロナ禍対策の反動で来月からはインフレ率が再び上昇する見通しだ。
エネルギーの上げ幅は9.4%となり、前月の10.0%から縮小。食料品も1.5%から1.2%へと下がった。物価に占める比重が53%に上るサービスは2.2%から1.6%へと0.6ポイント低下している。
ドイツではコロナ禍で悪化した経済の底支えに向けて昨年7月から12月までの半年、付加価値税率が引き下げられた。このため、今年7月から半年間はインフレ率が反動で急上昇する見通し。ベーレンベルク銀行のチーフエコノミストは『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、7月と8月は1ポイント以上、押し上げられるとの見方を示した。連邦銀行(中銀)は、下半期はインフレ率が4%に達する月もあり得るとしている。
6月の消費者物価は前月比では0.4%上昇した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が2.1%となり、欧州中銀が適正水準とする2%弱を4カ月連続で上回った。前月比は0.4%だった。