ドイツのイエン・シュパーン保健相は26日、新型コロナウイルス用ワクチンの接種が7月から加速する見通しを明らかにした。米モデルナ製品の輸入量が従来の計画よりも大幅に増えるためだ。希望する全成人が7月末までに少なくとも1回目の接種を受けることができるとしている。
モデルナはこれまで、7月の対独供給量を週73万3,000回分としてきた。これを同133万回分へと大幅に引き上げた。8月には257万回分、9月には295万回分へとさらに増やす。この結果、同社製ワクチンの月当たりの供給量は7月が532万回分、8月が1,028万回分、9月が1450万回分となる。6月28日~7月4日の週はアストラゼネカとジョンソン・エンド・ジョンソン製品の供給量も増える。
モデルナ製品の輸入量が増える背景には米本国のワクチン需要が大幅に減少していることがある。4月時点では同国の1日当たりの接種回数が300万回に達していたが、現在は120万回と半分以下に落ち込んでいる。接種率は特に、トランプ前大統領の支持者が多いミシシッピ、ルイジアナ、ワイオミング州で低い。同社はワクチンの使用期限切れを回避するため、輸出を拡大する。