インフレ率が93年以来の高水準に、7月は3.8%

ドイツ連邦統計局が7月29日発表した同月の消費者物価指数は前年同月比3.8%増(暫定値)となり、インフレ率は1993年12月以来およそ28年ぶりの高水準に達した。昨年はコロナ禍対策で7~12月の半年間、付加価値税率が引き下げられており、その反動で上げ幅が大きくなった。年末まではインフレ率が高止まりする見通しで、エコノミストの間には5%に達する月もあり得るとの見方がある。

上げ幅が特に大きかったのはエネルギーで11.6%に達した。付加価値税率が本来の水準に戻ったことのほか、コロナ禍からの景気回復や中間財価格の高騰の川下転嫁、二酸化炭素(CO2)の排出を有料化するカーボンプライシング制度が運輸と建造物を対象に年初から始まったことが背景にある。食料品も前月の1.2%から4.3%へと上げ幅が大きく拡大した。

物価に占める比重が53%に上るサービスは2.2%となり、前月(1.6%)を0.6ポイント上回った。コロナ規制の緩和で需要が大きく伸び、値上げしやすい状況になっているもようだ。ノルトライン・ヴェストファーレン州では飲食店の料金が4%上昇した。

消費者物価は前月比では0.9%上昇した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が3.1%、前月比が0.5%だった。