ビオンテック製ワクチン、3回接種で抗体3倍超に

バイオ製薬の独ビオンテックと製薬大手の米ファイザーは8月25日、両社が共同開発した新型コロナウイルス用ワクチンの追加接種を行うと効果が大幅に高まることが、治験の最終段階に当たるフェーズ3で確認されたと発表した。まずは米食品医薬品局(FDA)に追加接種承認を申請。その後は欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)など他の当局にも申請する予定だ。

両社が開発したワクチンは2回の接種が必要なタイプ。時間の経過とともに効力が弱まることから、多くの接種完了者が「ブレークスルー感染」している。両社はこれを踏まえ、3回目の接種(ブースター接種)の治験を行ってきた。

フェーズ3には2回目の接種から4.8~8カ月が経過した18~55歳の306人が参加した。ブースター接種から1カ月後の検査では、中和抗体の水準が2回目に比べ3.3倍高まったことが確認された。

ドイツでは現時点でブースター接種勧告が出されていないものの、国内16州は今月初旬、ワクチン接種の完了者を対象に9月から追加接種を行うことを決議した。対象となるのは免疫不全症患者、超高齢者、要介護者および、専らウイルスベクター型のワクチン(アストラゼネカとジョンソン・エンド・ジョンソン製品)接種を受けた人。接種完了から6カ月以上が経過した該当者にmRNA型ワクチンでブースター接種を行う。バイエルンなど一部の州ではすでに8月から追加接種を行っている。

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