隔離の収入補償、一部の州が非接種者に不支給へ

新型コロナウイルス感染者に濃厚接触し、隔離を命じられた人に隔離で失われた収入を補償するルールを改める動きが一部の州で出てきた。ワクチン接種が進展し、希望すれば12歳以上の誰もが接種を速やかに受けられるようになったことを踏まえ、非接種者には補償金を支給しないようにする。イエン・シュパーン連邦保健相は理解を示している。

バーデン・ヴュルテンベルク州は非接種者への補償金支給を15日付で廃止した。ラインラント・ファルツ州と日系企業が多いノルトライン・ヴェストファーレン州も同様のルールをそれぞれ10月1日、11日に施行する。ヘッセン州とメクレンブルク・フォーポマーン州は追随する見通しだ。

感染防止法56条の規定がこの措置の根拠となる。同条にはワクチン接種を受ける権利の行使を通して隔離命令を回避できる者は補償金を受けないと記されている。接種を受けようと思えば受けられる状況にあるにもかかわらず接種を受けていない人は、この権利を行使することで隔離命令を回避する努力を怠っているため、補償金を受けられないというロジックだ。

シュパン保健相は隔離補償金について8日、国の負担で行われている無料のPCR・抗原検査と同様にその費用を最終的に納税者が負担していることを指摘。受けようと思えば受けられる無料のワクチン接種を回避している人に支払う補償金のコストを他の人が負担することは適切でないとの認識を示した。

隔離命令を受け仕事をできなくなった人が被用者の場合、これまでは雇用主がその間の給与を継続支給してきた。雇用主はそのコストの補償を州に請求できたためだ。隔離命令を受けた非接種者に補償金を支給しないルールが施行されると、在宅勤務以外の当該被用者は隔離期間中、給与の継続支給を受けられなくなり、家計が圧迫されることになる。また、出勤を義務付けられている場合は、接種を受けていない事実を雇用主に把握されることになる。

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