米金融大手JPモルガンは8日、独自動車大手フォルクスワーゲン（VW）傘下のデジタル決済サービス会社フォルクスワーゲン・ペイメンツを買収することで合意したと発表した。自社の決済システムを補完する狙い。買収金額は明らかにしていない。当局の承認を経て買収手続きが来年上半期に完了すると見込んでいる。
VWの金融サービス子会社フォルクスワーゲン・ファイナンシャル・サービシズ（VWFS）からフォルクスワーゲン・ペイメンツの株式75％弱を取得する。フォルクスワーゲン・ペイメンツはJPモルガンとVWFSの共同出資会社となる。
同社は2017年の設立で、ルクセンブルクのストラッセンに本社を置く。世界32カ国で事業を展開。給油・充電、駐車料金、保険料などの自動決済サービスを提供している。
JPモルガンは買収後、フォルクスワーゲン・ペイメンツのサービスを自動車業界全体に幅広く提供していく意向だ。将来的には自動車以外の分野にサービスを拡げることも視野に入れている。
VWはJPモルガンが持つ銀行業務の長年の経験とグローバルなプレゼンスを評価し、今回の取引に踏み切ったもようだ。VWグループの各ブランドは今後もフォルクスワーゲン・ペイメンツのサービスを受ける。