コロナ隔離時の収入補償、10月末で打ち切り

ドイツのイエン・シュパーン保健相と国内16州の保健相は22日、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触し当局から隔離を命じられた就労者への収入補償を10月末で基本的に打ち切ることを取り決めた。バーデン・ヴュルテンベルクなど一部の州が実施している措置を11月1日からすべての州に拡大する。

濃厚接触を理由に隔離を命じられた就労者はこれまで、隔離に伴う収入の減少を補償されてきた。だが、現在はワクチン接種が進展し、希望すれば12歳以上の誰もが基本的に無料接種を速やかに受けられるようになっていることから、ルールを変更する。接種完了者と感染からの快復者は基本的に隔離を命じられることがない。

補償打ち切りの根拠となるのは感染防止法56条の規定だ。同条にはワクチン接種を受ける権利の行使を通して隔離命令を回避できる者は補償金を受けられないと記されている。接種を受けようと思えば受けられる状況にあるにもかかわらず接種を受けていない人は、この権利を行使することで隔離命令を回避する努力を怠っているため、国と州は今回、補償金を支給しないことを決めた。

シュパーン保健相は「接種を拒否する者は、隔離義務に伴い生じる収入減の穴埋め費用を共同体が負担することを期待できない」として、そうした期待は「反連帯的だ」と批判した。補償金の費用は最終的に納税者が負担することになるため、非接種者に補償金を支給し続けることは公平でないとの立場だ。

健康上の理由で接種を受けられない人には引き続き補償金が支給される。また、非接種の被用者であっても新型コロナに感染した場合は病休扱となるため、雇用主から6週間、給与の継続支給を受けることができる。6週間が経過しても治らない場合は健康保険組合が給与の70%相当額を疾病手当として支給する。

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