コベストロ―MDI工場建設プロジェクト再開、米国から中国に変更の可能性も―

化学大手の独コベストロは28日、これまで凍結してきたメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)のワールドスケール工場建設計画を再開すると発表した。需要の拡大が見込めるようになったことを受けた措置。2026年の稼働開始を目指す。

同社は2018年秋、米テキサス州ベイタウンにポリウレタンの原料となるMDIの工場を新設すると発表した。同社史上最大の15億ユーロを投じ、年産能力50万トンの工場を建設。24年に操業開始し、北米生産能力を2倍以上に拡大する計画だった。

だが、米中の通商摩擦や自動車業界の景気低迷を受けて需要が振るわないことから、昨年に工事を停止していた。

コベストロは今回発表したプレスリリースで、中国や欧州、米国の温暖化対策の強化を背景に熱効率の高い住宅や電動車の需要が拡大していることを指摘。MDIの世界市場は25年まで年率6%のスピードで拡大していくとの予測を示した。同社はこれを踏まえMDIの生産能力を拡大する。

ただ、ワールドスケール工場の候補地として米国のほか、中国を挙げていることから、建設地が中国に変更される可能性もある。

コベストロは独ドルマーゲン工場のトリレンジイソシアネート(TDI)生産能力を23年までに現在の25万トンから拡大する計画も明らかにした。

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