三洋化成―BASFとPDU開発で戦略協業―

三洋化成工業は27日、独化学大手BASFとポリウレタン・ディスパージョン(PUD)開発の戦略的協業に関する覚書に調印したと発表した。製品を共同開発することで市場投入までの時間を短縮するとともに、両社のグローバル拠点を通して世界販売を加速する狙い。バリューチェーン全体でカーボンフットプリントの低減を目指す。

PUDは水系のウレタン樹脂で、塗料やコーティング剤、接着剤に用いられる。有機溶剤を含まず環境負荷が小さいことから、需要が拡大している。BASFアジア太平洋地域担当レジン&添加剤事業本部のバイスプレジデントであるシルヴァン・ヒュグナード氏は、「ユーザーは製品の性能向上を求めています。また、地域の規制を遵守し、企業の責任目標を達成するための持続可能なソリューションを期待しています」と述べた。

三洋化成の原田正大常務執行役員事業企画本部長は、「BASFのようなグローバル企業の市場アクセスや製造拠点を活用できることは、三洋化成のPUD事業にとって重要な節目となります」と言明。販売拡大に意欲を示した。