スイス製薬大手ノバルティスは21日、失明に至る疾患の遺伝子治療技術開発を手がける同国の新興企業アークトス・メディカルを買収したと発表した。買収額は明らかにしていない。
アークトスは遺伝性網膜疾患(IRD)、加齢性黄斑変性症(AMD)など、光受容体を失うことで失明する疾患について、光によって細胞の機能を制御するオプトジェネティクス(光遺伝学)技術を用いた治療法の開発に取り組んでいる企業。これらの病気に対する通常の遺伝子治療では、原因となる特異遺伝子だけを標的として治療するが、原因となる遺伝子が判明する患者は少ない。
同社が開発しているのは特異遺伝子以外も対象とする技術で、実用化されれば多くの患者を失明から救うことができると期待されている。