ドイツでコロナ禍の終息が視野に入ってきた。イエン・シュパーン保健相は地方紙『アウグスブルガー・アルゲマイネ』紙に、「ワクチンの予防効果が働かない新たな変異株が出現しなければ~それはほぼないことだが~、パンデミックを来春に克服しノーマルな生活に戻ることができる」と明言した。
コロナ禍終息を予想するのは集団免疫を来春までに獲得できるとみているためだ。保健相はこれに絡んで、「集団免疫は常に達成される。問題はその方法に過ぎない。つまり、ワクチンの接種によってか、感染によってかだ。接種はそこに至る明らかにより安全な道だ」と述べたうえで、「接種を受けない者は高い確率で感染する」と断言。未接種者に速やかな接種を促した。
同国では新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した人が63.4%、少なくとも1度の接種を受けた人が67.4%に上る。今後はこれまで接種を受けられなかった12歳未満も受けられるようになる見通しのうえ、非接種者は飲食店や美容・理容院の利用、イベントへの参加が制限されたり、隔離時の所得補償を受けられなくなるなど不利益が多くなるため、接種率の上昇が見込まれる。また、気温が下がる秋から冬にかけては非接種者を中心に感染者が多数、出る見通し。保健相はこれらの事情を踏まえ、抗体保有者が今後さらに増え、集団免疫獲得に必要な水準に達すると読んでいるもようだ。