ハパックロイド―独港湾ヤーデ・ヴェーザー・ポートに出資―

海運大手の独ハパックロイドは9月28日、独北部ヴィルヘルムスハーフェンのヤーデ・ヴェーザー・ポート港に資本参加すると発表した。同社はハンブルク港を本拠地とする企業。船舶の一部をヤーデ・ヴェーザーに移管するとの観測が出ている。

ヤーデ・ヴェーザーの資本30%を競合マースクから譲り受けることで合意した。同港の残り70%はブレーメンに本社を置く港湾運営会社ユーロゲートが引き続き保有する。ハパックロイドはヤーデ・ヴェーザーの後背地鉄道運営会社レール・ターミナル・ヴィルヘルムスハーフェン(RTW)にも50%出資する。取引金額は非公開。数カ月以内の取引完了を見込む。

ハパックロイドは先ごろ、最大2万3,500TEU(20フィートコンテナ換算)を積載できる大型船を数隻、発注した。水深の浅いハンブルク港では利用できない懸念がある。ヤーデ・ヴェーザーはドイツ唯一の深水港で、問題なく利用できることから、今回の出資を決めたとの観測が出ている。広報担当者は『ハンデルスブラット』紙に、ハンブルクからヤーデ・ヴェーザーへの移管は未定だと回答するとともに、仮に移管を決めたとしてもそれがハンブルク港にとって何を意味するかを云々するには時期尚早だと述べた。

ヤーデ・ヴェーザーは2012年に開設された比較的新しい港湾。コンテナ取扱能力が年270万TEUに上るものの、昨年の実績は42万3,243TEUと少なく、採算が取れていない。後背地との接続の悪さがネックとなっている。ハパックロイドがRTWにも出資するのは同港と後背地を結ぶ交通インフラの拡充を狙った措置とみられる。

ユーロゲートとハンブルク港運営会社HHLAは蘭ロッテルダム港、ベルギーのアントワープ港に対抗するため、合併に向けて協議している。

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