エボニック―独リュルスドルフ工場売却へ―

特殊化学大手の独エボニックは1日、ケルン南部のニーダーカッセル市リュルスドルフ地区にある工場の売却方針を発表した。当局の環境規制を受けた措置。基礎化学メーカーであれば同工場を今後も有効に活用できることから、譲渡先の模索を開始した。

リュルスドルフ工場ではアマルガム電気分解でバイオディーゼル燃料の製造やPETリサイクリングで用いられるアルコキシドを生産している。同電解設備は欧州連合(EU)の規制で2027年末から運営できなくなる。同工場は基礎化学品の生産であれば将来性が高いが、エボニックは収益力の高い特殊化学品に経営資源を絞り込んでいることから、手放すことにした。

リュルスドルフ工場は化学産業集積地の中心部にあるうえ、ライン川に面し物流の便も良い。エボニックは同工場をできれば一括売却したい考えだが、分割売却の可能性も排除していない。約600人の従業員が売却先で継続雇用されることを重視している。

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