フォルクスワーゲン―9月グループ販売33%減少―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が15日発表した9月のグループ新車販売台数は前年同月比32.9%減の61万6,500台となり、下げ幅は前月の同22.3%から拡大した。減少は3カ月連続。6月までは5カ月連続で増加していたが、半導体不足の深刻化に伴う生産調整で販売水準が押し下げられている。

販売台数を地域別でみると、最大市場の中国が41.8%減の25万5,500台と大きく後退。足元の西欧も32.3%減の20万3,600台と振るわなかった。中東欧は29.5%減、北米は11.2%減、南米は23.3%減、中東・アフリカは23.2%減。中国以外のアジア太平洋も5.3%減となり、減少へと転じた。世界販売に占める中国の割合は36.0%だった。

主要ブランドでは商用車のMAN(15.6%増)を除いてすべて減少した。乗用車ではVWブランド乗用車が31.6%、アウディが40.8%、シュコダが45.9%、セアトが18.1%、ポルシェが20.1%減少。VWブランド商用車は36.2%、スカニアは11.0%落ち込んだ。

1-9月期のグループ販売台数は695万1,500台で、前年同期を6.5%上回った。中国を除くすべての市場で増加。増加幅は西欧で9.0%、中東欧で11.6%、北米で28.2%、南米で17.1%、中国以外のアジア太平洋で19.4%、中東・アフリカで31.4%に達した。

中国は255万200台で、4.1%減少した。8月までは年初からの累計が前年同期を上回っていたが、9月に大幅減となったことから1-9月期は減少へと転じた。世界販売に占める同国の割合は36.7%だった。

1-9月期のブランド別販売はVWブランド乗用車が3.3%増、アウディが13.5%増、セアトが23.5%増、ポルシェが13.4%増、VWブランド商用車が5.3%増、MANが42.8%増、スカニアが40.9%増。シュコダは2.9%減り減少へと転じた。

EVは好調で7-9月期3ケタ増に

一方、VWが同日発表した7-9月期のグループの電気自動車(EV)販売台数は前年同期比108.5%増の12万2,100台と3ケタ台の伸びを記録した。半導体不足にもかかわらず大幅に増加。グループの乗用車販売台数(197万2,900台)に占める割合は6.2%となった。

主要地域・国のなかで伸び率が最も大きかったのは中国で、315.2%増の2万8,900台を記録。米国は102.1%増の8,800台、欧州は80.5%増の8万1,700台に上った。

ブランド別ではVWブランド乗用車が154.4%増の7万5,000台、アウディが29.1%増の2万台、シュコダが214.8%増の1万4,400台、セアトが29.6%増の2,700台、ポルシェが36.4%増の8,800台、VWブランド商用車が197.1%増の1,100台、MANが1.5%増の100台だった。

1-9月期のEV販売台数は前年同期比138.2%増29万3,100台となり、乗用車販売全体の4.2%を占めた。

地域・国別でみると、欧州は120.3%増の20万9,800台へと拡大。欧州EV市場シェアは約26%となり、首位を獲得した。

米国も212.1%増の2万7,300台と好調だった。同国市場に占める割合は約8%で、2位に付けている。

中国は201.3%増の4万7,200台を記録した。第3四半期の販売台数が上半期を約60%上回り、1-9月期の水準を強く押し上げた。

ブランド別の実績はVWブランド乗用車が169.2%増の16万7,800台、アウディが51.4%増の5万2,800台、シュコダが236.8%増の3万2,100台、セアトが109.6%増の8,800台、ポルシェが161.7%増の2万8,600台、VWブランド商用車が150.1%増の2,300台、MANが157.5%増の600台だった。

グループのEVのなかで1-9月期の販売台数が最も多かったモデルはVW「ID.4」で、7万2,700台に上った。これにVW「ID.3」が5万2,700台、アウディ「e-tron」が3万6,100台、ポルシェ「タイカン」が2万8,600台、シュコダ「エンヤクiV」が2万8,200台で続いた。

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