エネルギー設備大手の独シーメンス・エナジーは10日、シーメンスからの分社化後初の通期決算を発表した。それによると、2021年9月期の純損益は5億6,000万ユーロの赤字となったものの、赤字幅は前期の18億5,900万ユーロから69.9%縮小。クリスティアン・ブルッフ社長は「満足している」と述べた。前期は航空機転用型ガスタービン事業の低迷やリストラ、シーメンスからの分離に伴い15億ユーロ以上の特別費を計上したことが響き、業績が押し下げられていた。
21年9月期の業績を最も強く圧迫したのは風力発電子会社ガメサで、純赤字6億2,700万ユーロを計上した。コロナ禍からの急速な経済回復を背景に材料調達コストが上昇しているうえ、最新世代の陸上風力発電タービン「5.X」の設置コストが膨らんでいることが響いた。シーメンス・エナジーは同子会社の役員をこの1年でほぼ全面的に入れ替えたという。火力発電設備部門は人員削減費6億7,300万ユーロを計上したものの、リストラには目途が付いたとしている。
21年9月期の売上高は284億8,200万ユーロで、前期を3.7%上回った。営業利益(調整済みベースのEBITA、特別要因を除く)は6億6,100万ユーロの黒字となり、前期の赤字(1,700万ユーロ)から好転。売上高営業利益率はマイナス0.1%からプラス2.3%へと上昇した。
22年9月期は為替変動と買収・売却を除いた売上成長率で「マイナス1~プラス3%」、売上高営業利益率で3~5%を見込む。