「ワクチン改良は必要」=ビオンテックCEO

新型コロナウイルスワクチンを米製薬大手ファイザーと共同開発した独ビオンテックのウール・シャヒン最高経営責任者(CEO)は3日ロイター通信が開催した会議で、新変異株「オミクロン」の出現を受けて「この新たな変異株に対する新ワクチンがある時点から必要になると基本的に考えている」と言明した。同株は標的免疫反応を部分的に回避するエスケープ変異株の可能性が高く、ワクチン接種を完了した人でも感染するとみている。

オミクロン株は感染のカギを握るスパイクタンパク質の変異が32カ所と極めて多い変異株。シャヒン氏はそうした変異株の出現時期を来年と予想していたが、実際には今年になったと述べ、変異のスピードに驚いているとの認識を示した。

ビオンテック/ファイザー連合が開発したワクチンは、同株に対する感染防止効果は弱いものの、重症化を防ぐ効果はあるというのが同氏の見方。ブースター接種を受ければ一定期間は感染自体も防げるとしている。

シャヒン氏はまた、新型コロナワクチンはインフルエンザのように毎年の接種が必要になる可能性があるとも述べた。新型コロナウイルスの変異スピードが加速していることから、非接種者の重症化リスクは高まるとみている。

ビオンテックは11月26日、ファイザーと共同開発した製品がオミクロン株に対し有効かどうかを速やかに調べ、2週間以内に結論を出す意向を表明した。ワクチンの効果を弱めるエスケープ変異株であることが確認された場合は、6週間以内にワクチンを改良。臨床試験を経て100日以内に出荷を開始する考えだ。

上部へスクロール