操短で勤務日が減少、有給休暇の日数はどうなる?

新型コロナウイルスの流行とそれに伴う飲食店や小売店の店舗営業禁止措置を受け、多くの企業で操業時間が短縮されている。特に昨年は操短の対象となった被用者が多く、ピーク時の4月には断トツで過去最高の600万人に達した。では、操短で勤務日数が減った被用者の年次有給休暇の日数はどのように取り扱うべきなのだろうか。この問題を巡る係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が11月30日に判決(訴訟番号:9 AZR 225/21)を下したので、取り上げてみる。

裁判はパン屋の販売助手が雇用主を相手取って起こしたもの。労働契約では原告が週3日、勤務し、有給休暇を年14日、取得する権利が認められている。

新型コロナの流行を受け原告は勤務日数を減らすことで被告と合意した。この結果、2020年4月、5月、10月の3カ月は勤務がまったくなくなり、11月と12月の勤務日数も計5日に減ったことから、被告は原告の有給休暇日数を2.5日分減らし11.5日とした。

これに対し原告は、操短でなくなった勤務日は有給休暇法上、勤務日とみなされると主張。20年の有給を契約通り計14日取得する権利があるとして提訴した。

原告は一審と二審で敗訴し、最終審のBAGでも判決は覆らなかった。判決理由でBAGの裁判官は、操短合意でなくなった勤務日は国内法上も欧州連合(EU)法上も勤務日とはみなされないと指摘。操短日数に相応して被告が原告の有給日数を減らしたことに問題はないと言い渡した。

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