石炭発電が第3四半期に急増、天然ガス価格の高騰背景に+23%

ドイツ連邦統計局が14日発表した第3四半期(7~9月)の国内石炭発電量は378億キロワット時(kWh)となり、前年同期を22.5%上回った。天然ガス発電が燃料価格の高騰で大幅に減少したことから、その穴埋めに石炭発電が活用された格好だ。

欧州ではコロナ禍からの景気回復、昨冬の寒波、ロシアからの供給不足などを背景に天然ガスが不足。価格が高騰している。これを受け第3四半期の独天然ガス発電量は38.9%減と大幅に落ち込んだ。発電量が天候に大きく左右される再生可能エネルギー発電も振るわなかったことから、石炭発電がいきおい増えた。来年末までに全廃となる原子力も11%拡大している。

再生エネ発電は0.8%減の510億kWhへと縮小した。風力が2.0%、太陽光が2.8%減少。水力は19.0%増えた。

国内の総発電量は1,184億kWhで、前年同期を1.1%上回った。在来型発電が2.7%増の674億kWhへと拡大。同シェアは56.1%から56.9%へと拡大した。石炭は31.9%、原子力は14.2%、天然ガスは8.7%だった。

再生エネのシェアは43.9%から43.1%へと低下した。風力は16.6%、太陽光は13.3%、バイオガスは6.0%、水力は4.2%となっている。

電力輸入量は13.6%増えて142kWhとなった。フランスからが121.1%増の42億kWhと急拡大。チェコからも33.3%増の12億kWhと大きく伸びた。オランダは同58.1%減の13億kWhと大幅に落ち込んでいる。

電力の輸出量は8.9%増の147億ユーロに拡大した。輸入量を3.5%上回っている。

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