新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための「2G」ルールを小売店に拡大適用したことは違憲として独北部ニーダーザクセン州の小売店が同州政府を相手取って起こした訴訟で、ニーダーザクセン州高等行政裁判所は16日、原告の主張を認め、同ルールの小売店適用を州内全域で無効とする決定を下した。同規制は国内16州すべてで施行されており、他の州でも裁判所が同様の決定を下す可能性がある。ヘッセン州商工会議所は州政府に対し同日、小売店2Gルールの撤回を要求した。
2Gはコロナ規制の一環で今夏から導入されているルール。Gは「Geimpfte(ワクチン接種完了者)」「Genesene(コロナ感染からの快復者)」を指す。同ルールが適用される店舗やイベントでは接種完了証明、快復証明のいずれかの提示が義務付けられる。従来は適用対象が飲食店や屋内ベントに限られていたが、国と州は11月下旬、小売店にも原則的に拡大適用することで合意。2Gはすべての州で小売店に適用され、未接種者が利用できる小売店は食料品や医薬品など生活必需品を取り扱う店舗に制限された。
ニーダーザクセン州では12日付で小売店2Gが導入されたが、州高等行政裁は新型コロナ感染防止に不要な措置で、平等原則に反するとの判断を示した。決定理由で裁判官は、屋内スポーツなどで感染が拡大するとした研究結果を小売店にそのまま当てはめた州政府の判断は適切でないと指摘。また、同州では小売店内で感染防止効果の高いFFP2マスクの着用が義務付けられており店内感染のリスクは低いとして、「未接種者(Ungeimpfte、感染からの快復者で接種を受けていない人はこのカテゴリーに含まれない)」の入店を禁じるルールは不当だと指摘した。