ドイツ連邦雇用庁(BA)が4日発表し2021年12月の失業者数は233万人となり、前月を1万人2,000人上回った。増加は10カ月連続。12月は季節柄、失業者数が増えやすいという事情があり、季節要因を加味し失業者数は前月を2万3,000人下回った。BAのデートレフ・シェーレ長官は、労働市場の回復は続いているとの見方を示した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う規制強化の影響で操短の届け出は大きく増えており、先行きは不透明だ。
名目ベースの失業率は前月と同じ5.1%だった。前月比では失業者数が37万8,000人減少した。
国際労働機関(ILO)基準の11月の失業率は前月と同じ3.0%にとどまった。
新規に操短の届け出対象となった被用者の数は12月1~27日に計28万6,000人となり、前月(14万7,000人)の約2倍に拡大した。増加は4カ月連続。コロナ規制の強化を受け特に宿泊・飲食、小売業で大きく増えた。
国の操短手当を実際に受給した人は10月時点で71万人(暫定値)となり、前月の79万人から減少した。減少は8カ月連続。ピーク時の20年4月は600万人だった。
12月の求人件数は79万4,000件で、前年同月を21万3,000件上回った。季節要因を加味した前月比でも2万1,000件増えている。求人指数BA-Xは前月比3ポイント増の132へと上昇し、労働市場にコロナ禍の影響が出る直前の昨年3月をこれまでに引き続き上回った。前年同月に比べると33ポイント高い水準だ。
21年の平均失業者数は261万3,000人で、前年を8万2,000人、下回った。シェール長官は、サプライチェーンのひっ迫など足かせ要因があったものの、労働市場は夏以降、回復しており、21年を全体的にみると良好だったとの見方を示した。