アウディとポルシェがF1参戦へ、車両の半電動化や炭素中立燃料の使用受け

フォルクスワーゲン(VW)グループの高級車メーカー、アウディとポルシェが自動車レース「F1(フォーミュラ1)」に参戦する方向だ。VWのヘルベルト・ディース社長はすでにゴーサインを出しているといい、交渉がまとまり監査役会が承認すれば実現する。13日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

それによると、アウディはF1チーム「マクラーレン」を買収する方向で親会社であるバーレーンの国有ファンド、マムタラカトと協議している。交渉は順調に進んでおり、近く買収提案を行う見通しという。

ポルシェは別のF1チーム「レッドブル」と交渉している。レッドブルはドライバーのマックス・フェルスタッペンが昨シーズンのF1でチャンピオンとなったことから、チームの経済的な価値が大幅に上がった。ポルシェはこれを受け、コストのかさむ出資という形でチームに参加することを見合わせ、関与をエンジン供給にとどめる選択肢も視野に入れている。

交渉がまとまればVWは2月末の監査役会で承認するかどうかの決定を下すもようだ。VW、アウディ、ポルシェは報道内容へのコメントを控えている。

F1チームの費用は年数億ユーロと大きいが、レース用のマシンが2026年から半電動化されるうえ、炭素中立の持続可能な燃料を使用するようになることから、アウディとポルシェは参戦に向けて動いている。F1の人気は欧州だけでなく、米国や世界最大の市場であるアジアでも高まっていることから、両社はレースでエンジン性能をアピールし、ブランド力を高める意向だ。F1用エンジンを共同開発し、コストを削減する考えという。

F1が炭素中立となれば、モータースポーツは地球温暖化防止に逆行しているという批判を回避できるようになる。車両の電動化を積極的に進めるVWグループにとって重要なポイントだ。

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