ドイツ銀行―利益が10年来の高水準に、3年ぶり復配へ―

独銀最大手のドイツ銀行が1月27日発表した2021年12月期決算の税引き前利益は33億9,000万ユーロとなり、前期(10億2,100万ユーロ)の3.3倍に拡大した。18年に就任したゼーヴィング頭取の下で進めてきた抜本的な改革が奏功。中核4部門すべてで計画通りか計画以上の業績を上げた。貸倒引当金が前期から大幅に減少したことも大きい。株主帰属の純利益は前期(1億1300万ユーロ)の17倍の19億4,000万ユーロに達した。経営陣は3期ぶりに配当を行う意向だ。

貸倒引当金は5億1,500万ユーロで、前期の17億9,200万ユーロから71%減少した。前期はコロナ禍初年度で水準が高くなっていた。

業績をけん引したのは前期同様、投資銀行部門で、税引き前利益は37億1,500万ユーロ(17%増)に上った。債券と通貨取引で利益を稼いだ。

リテール部門は前期の赤字(9,900万ユーロ)から3億6,600万ユーロの黒字へと転換した。貸倒引当金が37%減の4億4,600万ユーロ、リストラ費が58%減の1億7,300万ユーロに縮小したことが大きい。法人向け部門と資産運用部門も増益を確保した。

不良資産の受け皿機関「キャピタル・リリース・ユニット(CRU)」は13億6,400万ユーロの赤字となったものの、赤字幅は前期比で38%縮小した。

狭義の中核自己資本比率(CET1比率)は12月末時点で13.2%となり、前年同日を0.4ポイント下回った。

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