電機業界がコロナ禍から回復、21年売上は過去最高の約2000億ユーロに

独電気電子工業会(ZVEI)が8日発表した同国電機業界の2021年の売上高は前年比9.7%増の1,995億ユーロとなり、過去最高を更新した。原材料・部品不足などの問題はあるものの、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行で悪化した業績は完全に相殺された格好だ。

国内売上高が8.9%増の938億ユーロ、国外が同10.5%増の1,057億ユーロに拡大。国外はユーロ圏外が11.7%増の680億ユーロとけん引車となった。ユーロ圏は8.3%増の377億ユーロだった。

21年の新規受注高は前年を23.9%上回った。国内が20.1%増、ユーロ圏が23.1%増、ユーロ圏外が29.2%増とすべて20%台の伸びを確保している。

生産高も物価調整後の実質で8.8%増加。6.1%減となった前年の落ち込みは十二分に解消された。今年も4%の増加を見込んでいる。

21年の工場稼働率は86.6%に上った。

21年12月の新規受注高は前年同月を34.1%上回った。大型受注で水準が押し上げられたという。地域別では国内が42.0%、ユーロ圏が19.8%、ユーロ圏外が32.0%の幅で伸びた。

同月の生産高は前年同月比で実質3.4%増えた。

今年1月(第1四半期初頭)の工場稼働率は88.5%で、昨年10月(第4四半期初頭)を0.1ポイント上回った。受注残高は月売上の4.8カ月分となり、昨年10月の5.4カ月分から縮小している。サプライチェーンのひっ迫に伴う生産の低迷がやや解消されたもようだ。

1月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を予定する企業の割合から「縮小」の割合を引いた数(ディフュージョン・インデックス=DI)は前月の36.6ポイントから37.6ポイントへと増え、3カ月連続で拡大した。

12月の業界売上高は前年同月比8.5%増の181億ユーロに拡大した。国内が12.6%増加。ユーロ圏は1.2%増、ユーロ圏外は7.0%増だった。

1月の業界景況感指数(DI)は33.8ポイントで、前月(27.6ポイント)を6.2ポイント上回った。増加は2カ月連続。現状判断を示す指数が44.0ポイントから50.5ポイント、今後6カ月の見通しを示す期待指数が12.3ポイントから18.3ポイントへと上昇した。

1月の輸出期待指数(DI、先行き3カ月)は前月の17.9ポイントから25.2ポイントへと上昇している。

上部へスクロール