フォルクスワーゲン―子会社ポルシェのIPOを検討―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は22日、高級スポーツ車子会社ポルシェAGの新規株式公開(IPO)に向けVWの親会社であるポルシェ・アウトモビール・ホールディングと協議していることを適宜開示情報で明らかにした。交渉は進展した段階にあり、VWの取締役会と監査役会が承認すれば大枠合意が成立する。前日のメディア報道を受けて情報を公開したもようだ。

ポルシェAGのIPOを目指すのは、公開益で車両の電動化やデジタル化に向けた取り組みを加速するためとみられる。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたところによると、ポルシェAGの時価総額はVW(現在1,100億ユーロ)に匹敵する1,000億ユーロ超と試算されている。ポルシェAGとVWグループの技術的な連携を維持するため、公開される株式は当初、20%未満にとどまるというのが金融業界の見方だ。

ポルシェAGはもともと、ポルシェ・アウトモビール・ホールディングの一部だった。だが、ポルシェ・アウトモビール・ホールディングはVWを買収した際に投機的な手法を用いたことから財務が悪化。経営危機を打開するために自動車事業をポルシェAG(ポルシェ株式会社)という形で分離し、VWの完全子会社へと改めた。このため現在は子会社VWを通して間接的にポルシェAGを支配している。

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