商用車大手の独ダイムラー・トラックは2月28日、ロシア事業を即時停止すると発表した。ロシアのウクライナ侵攻を受けた措置。具体的には、同国商用車最大手カマズとの提携事業をすべて凍結する。ダイムラー・トラックの旧親会社メルセデス・ベンツ・グループ(2月1日付でダイムラーから改名)が保有するカマズ株15%については今後、ドイツ当局と連絡をとりながら取り扱いを検討する。
ダイムラー・トラックは2008年にロシア最大の商用車メーカー、カマズと合弁契約を結んだ。自社の成長計画「グローバルエクセレンス・プログラム」と方向性がぴたりと一致するとし、戦略提携も結んだ。
カマズが軍用トラックの生産でもロシア最大手であることを指摘する批判に対してダイムラー・トラックはこれまで、合弁事業では「民生品のみを手がける」ため問題ないとの立場を取ってきた。だが、ロシアの侵攻を受けたドイツ政府の姿勢転換、自社に対する世論の批判拡大などで、ロシア事業停止を決めた格好だ。
今後については「状況を詳しく観察し、定期的に決定を再検討する」としている。