ノースボルト―独北部に工場建設―

スウェーデンのリチウムイオン電池メーカー、ノースボルトは15日、ドイツ北部のハイデに工場を建設する計画を発表した。ドイツには有力な自動車メーカーが多いことから白羽の矢を立てた。ピーター・カールソン最高経営責任者(CEO)は『ハンデルスブラット』紙に、「ドイツに照準を合わせるのは当然だ。この国には多くの顧客と大きな需要、有能や技術者が存在するのだから」と述べた。

年産能力60ギガワット時(GWh)の工場を建設する。これは電気自動車(BEV)およそ100万台分の規模に相当する。2025年の生産開始を見込む。雇用規模は約3,000人。電池リサイクル施設も併設する。

顧客メーカーのフォルクスワーゲン(VW)、BMW、ボルボ・カーズ向けに供給する。新たな顧客を獲得した場合は、生産能力を増強する。カールソン社長は独高級車大手メルセデスからの契約獲得に意欲を示した。

ハイデを工場用地に選定したのは、ドイツとデンマークの洋上・陸上風力発電の電力を確保できるうえ、ノルウェーで作られた再生可能エネルギー電力が送電線で送られてくるという強みがあるため。顧客メーカーは製品製造過程で発生する二酸化炭素(CO2)の量を削減できる。

ノースボルトは2016年設立の新興企業で、昨年末にスウェーデン北部のシェレフテオで工場の操業を開始した。ポーランドのグダニスクにも工場を建設し、シェレフテオ工場からセルの供給を受け電池システムを生産する計画だ。2月にはボルボ・カーズと共同でスウェーデン南部のイエーテボリに電池工場を建設することを明らかにしている。

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