ドイツ政府は16日の閣議で2022年度税負担軽減法案を了承した。エネルギー価格高騰の直撃を受ける市民の負担を軽減する狙い。具体的には◇被用者必要経費控除を200ユーロ増の1,200ユーロに引き上げる◇所得税基礎控除を363ユーロ増の1万347ユーロに引き上げる◇通勤距離が20キロ超の就労者に対し20キロを超える分について1キロ当たりの通勤費税控除を35セントから38セントに引き上げる――意向だ。議会で可決されると、1月1日にさかのぼって施行される。
コロナ禍からの経済の回復に伴いエネルギー価格は急速に上昇している。原材料・部品不足を背景に製造業の生産が低迷していることもあり、インフレは高進。消費者の購買力が低下し、社会生活に大きな影響が出始めている。
政府・与党はこれを受け、市民負担の軽減策策定に乗り出しており、2月初旬には低所得層に暖房費支援の一時金を支給する方針を打ち出した。支給額は当初、住宅手当の受給者で135ユーロを計画していたが、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格の高騰が加速していることから、2倍の270ユーロに引き上げる意向だ。