21年の独機械輸出10%増加、世界1位の奪回はならず

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は17日、同国の機械輸出高が2021年は前年比およそ10%増の1,794億ユーロとなり、コロナ禍前の19年の水準(1,817億ユーロ)をほぼ回復したと発表した。ただ、中国の同輸出高が26%強増の2,101億ユーロと大幅に伸びたことから、ドイツは20年に中国に奪われた機械輸出世界1位の座を奪回できなかった。

ドイツを除く欧州連合(EU)へと中国の機械輸出は32%増えた。ドイツから他のEU加盟国への輸出は11%増にとどまっており、VDMAのチーフエコノミストは「EU域内市場の展開は気がかりだ」と述べた。

その一方で、中国の機械輸出の多くは外資系、ないし外資と現地企業の合弁会社が占めていることも指摘。純粋な中国企業の輸出は比較的少ないとの見方を示した。

17年のデータでは中国の機械輸出に占める外資企業の割合が27%に上った。外資と現地企業の合弁も14%に上っており、外資が関与する輸出の割合は計41%に達する。同チーフエコノミストは、現在も同割合は少なくとも33%を超えているとの推測を述べた。

ロシア市場への昨年の輸出高をみると、中国は55%増の80億ユーロと大幅に拡大。同市場で断トツ1位の輸出元国となった。ドイツは3.8%増の55億ユーロにとどまった。

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