21年は石炭発電急増、風力を抜き最大の電源に

ドイツ連邦統計局が17日発表した2021年の国内発電量(送電網への供給ベース)5,177億キロワット時(kWh)となり、前年を2.6%上回った。コロナ禍直前の19年比に比べると3.1%少ない。再生可能エネルギー発電が天候の関係で大きく落ち込んだことから、在来型発電が増加。特に石炭は大きく伸びた。

在来型発電は11.7%増えた。国内発電全体に占める割合は前年の52.9%から57.6%へと上昇している。

在来型の内訳をみると、石炭発電は24.9%増加した。ロシア産天然ガスの供給減を背景に天然ガス発電が減少(5.8%減)したこともあり、石炭の利用が特に大きく増えた。原子力は7.4%増だった。

再生エネは7.6%減少し、国内発電に占める割合は前年の47.1%から42.4%へと低下した。主力の風力発電が13.3%も減少したことが響いた。バイオガス発電は1.1%減、太陽光発電は0.5%減。水力発電は5.3%増えた。

発電に占める石炭の割合は24.8%から30.2%へと拡大した。風力は25.2%から21.5%に低下しており、石炭は風力を抜いて最大の電源となった。そのほかの電源の割合は原子力と天然ガスがそれぞれ12.6%、太陽光が8.7%、バイオガスが5.8%、水力が3.6%となっている。

一方、ドイツの電力輸入量は517kWhで、前年を7.7%上回った。チェコからの輸入が91.8%増えて全体をけん引。最大の輸入先であるフランスは24.7%、同2位のオランダは11.9%減少した。

電力の輸出量は5.0%増の703kWhに拡大した。これまでに引き続き輸入量を上回っている。

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