インフレ率7.3%に急上昇、エネルギーは上げ幅40%に

ドイツ連邦統計局が3月30日発表した同月の消費者物価指数(暫定値)は前年同月比7.3%増となり、上げ幅は前月の同5.1%から一気に2.2ポイントも拡大した。ロシアのウクライナ侵攻が物価を直撃。1981年秋以来の高インフレとなった。

エネルギー価格の上昇率は39.5%に達し、前月の同22.5%を大幅に上回った。食料品も5.3%から6.2%へと高まっている。ロシアとウクライナは化石燃料や穀物、食用油の主要産地であり、ドイツの自動車燃料価格は高騰。スーパーでは小麦粉とサラダ油が品切れ状態となっている。

ドイツ最大のノルトライン・ヴェストファーレンでは、暖房油の価格が前年同月比で99.8%上昇した。自動車燃料と天然ガスも上げ幅がそれぞれ49.1%、30.1%に達している。食料品は同7.5%で、野菜は14.2%、パン・穀物製品は7.1%だった。ベーレンベルク銀行のチーフエコノミストは『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、天然ガスや電力、食品の川上レベルの価格上昇は時間をかけて消費者価格に転嫁されると指摘。消費者物価は今後も上昇するとの見方を示した。政府経済諮問委員会(5賢人委員会)のフォルカー・ヴィーラント委員は、ウクライナ戦争がエスカレートすれば、インフレ率が2ケタ台に達する可能性を排除できなくなるとしている。

消費者物価指数は前月比でも2.5%増と大きく上昇した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が7.6%、前月比が2.5%だった。

上部へスクロール