電機業界の景況感が大幅悪化、原料・部品の供給不足は加速の懸念

独電気電子工業会(ZVEI)が8日発表した同国電機業界の3月の景況感指数(DI)は19.3ポイントとなり、前月の38.3ポイントから大幅に低下した。同指数の悪化は4カ月ぶり。ロシアのウクライナ侵攻を受けて先行き不透明感が急速に強まり、今後6カ月の見通しを示す期待指数が29.0ポイントからマイナス8.4ポイントへと37.4ポイントも低下した。期待指数がマイナスの領域に落ち込むのはコロナ禍初期の2020年7月以来で、1年8カ月ぶりだ。ZVEIのチーフエコノミストは、「業界企業の9割がこれまでに引き続き(原料・部品の)供給が不足していると報告している。戦争の結果、それは一段と進む可能性がある」と述べた。現状判断を示す指数は47.9ポイントから50.9ポイントへと改善した。

輸出期待指数(DI、先行き3カ月)は前月の27.2ポイントから10.1ポイント、生産計画指数(同)は41.6ポイントから36.4ポイントへと落ち込んだ。

同国電機業界の2月の新規受注高は前年同月を8.6%上回り、これまでに引き続き増加した。国内受注が12.0%、国外が同6.0%拡大。国外の内訳はユーロ圏が11.5%増、ユーロ圏外が2.9%増だった。ウクライナ戦争の影響は3月の受注データに反映されると同チーフエコノミストはみている。

1~2月の新規受注は前年同期を14.9%上回った。国内が18.1%、ユーロ圏が15.1%、ユーロ圏外が11.0%の幅で伸びた。

2月の業界生産高は物価調整後の実質で前年同月を2.5%上回った。1~2月の累計は前年同期比4.0%増だった。

2月の業界売上高は171億ユーロとなり、前年同月を11.7%上回った。国内売上が16.6%増と大きく拡大。ユーロ圏とユーロ圏外はともに7.6%増だった。

1~2月の売上高は前年同期比12.3%増の330億ユーロ。国内が16.7%、ユーロ圏が8.3%、ユーロ圏外が8.9%増えた。

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