シェアナウ―メルセデスとBMWがステランティスに売却―

乗用車大手のメルセデスベンツとBMWは3日、カーシェア合弁シェアナウを同業ステランティスに売却することで合意したと発表した。発足当初から赤字が続いていることから撤退に踏み切る。取引金額は非公開。カルテル当局の承認を経て譲渡する。

メルセデスとBMWは2019年、情報通信技術を活用した移動サービス分野の合弁会社5社を立ち上げた。シェアナウはフリーフロート型のカーシェア合弁で、ダイムラーの「カー2ゴー」とBMWの「ドライブ・ナウ」を統合して設立。当初は事業の拡大に意欲を示していたものの、20年2月には北米市場から全面撤退し、ロンドン、ブリュッセル、フィレンツェの欧州3都市でもサービスを停止した。現在は欧州でのみ事業を展開しており、顧客数は同地最大の340万人に上る。

ステランティスは子会社フリー2ムーブを通してカーシェア事業を展開している。フリー2ムーブはシェアナウの買収により顧客数を現在の200万人から大幅に拡大することになる。

メルセデスとBMWは移動サービス分野の合弁を今後、様々な移動手段を各顧客のニーズに合わせて連携させ予約から決済までを一手に引き受けるマルティモーダルサービスのフリーナウと、電動車充電サービスのチャージナウに絞り込む意向だ。

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