3月製造業受注4.7%減少、戦争勃発で発注抑制

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が5日発表した3月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で108.3(暫定値)となり、前月を4.7%下回った。減少は2カ月連続。ロシアのウクライナ侵攻を受け、発注抑制の動きが投資財を中心に広がっているもようだ。

新規受注を地域別でみると、国外が6.7%減と大きく落ち込んだ。ユーロ圏(ドイツを除く)は5.6%増となり4カ月ぶりに拡大したものの、ユーロ圏外が13.2%低下し、全体を強く押し下げた。国内は1.8%減だった。

部門別では投資財が8.3%減と振るわなかった。ユーロ圏外が19.3%減少したことが大きい。国内も3.6%落ち込んだ。ユーロ圏は12.2%増えた。

中間財は1.5%減少し、3カ月連続で後退した。国内が1.0%、ユーロ圏が3.7%、ユーロ圏外が0.3%の幅で落ち込んだ。

消費財は6.4%増となり、2カ月連続で拡大した。国内が4.9%増、ユーロ圏が7.9%増、ユーロ圏外が6.9%増とすべて好調だった。

1~3月の新規受注は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前期を2.8%上回った。比較対象の昨年10~12月は水準が極めて低かったという事情が大きい。

2月の製造業新規受注は今回、当初の前月比2.2%減から0.8%減へと大幅に上方修正された。航空宇宙分野の大型受注データが追加されたことで、水準が押し上げられた。

3月の製造業売上指数(暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を5.9%下回った。ウクライナ戦争の勃発で自動車メーカーが生産調整を余儀なくされたことなどが響いたもようだ。2月については1.4%減から2.2%減へと下方修正された。

上部へスクロール