ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した3月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比3.9%減の95.3(暫定値)となり、2020年4月以来およそ2年ぶりの大幅下落を記録した。減少は6カ月ぶり。2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻の影響が鮮明に出た格好だ。経済省は声明で、「ウクライナにおけるロシアの戦争を受け、今後の見通しは現在、大きな不透明性によって特徴づけられる」との見方を示した。
製造業の生産指数は4.6%低下した。投資財が6.6%減と特に大きく下落。中間財は3.8%減、消費財は1.5%減だった。対露制裁とサプライチェーンのさらなるひっ迫が響いた格好だ。ウクライナからのワイヤーハーネス供給が激減した自動車業界では減少幅が14.0%に達した。機械は5.3%減。電力、天然ガス、石油価格の高騰を受け、エネルギー集約型産業では生産が抑制され、ガラス・ガラス製品/石材・土加工は6.7%、金属製造・加工は5.2%の幅で縮小した。
エネルギー業は11.4%減と減少幅が2ケタ台に達した。需要の後退が最大の押し下げ要因。比較対象の2月は暴風が相次ぎ風力発電量が急増しており、3月はその反動も響いた。
建設業は1.1%増加した。
2月の鉱工業生産指数は当初の前月比0.2%増から0.1%増へと下方修正された。