ドイツ機械工業連盟(VDMA)が16日に発表した3月の独機械輸出高は前年同月比6.2%減の162億ユーロへと後退した。ロシアのウクライナ侵攻と中国のロックダウンが響いた格好だ。ロシア向けは72.6%、ウクライナ向けは89.4%落ち込んだ。ロシア向けが激減した背景には、欧米諸国の制裁や同国向けの輸送手段の大幅減少といった外的要因のほか、企業が自主的にロシア事業を縮小・停止したという事情もある。
1-3月期の輸出高は前年同期比0.4%増の436億ユーロと小幅な伸びにとどまった。最大の仕向け先である米国は13.9%増加したものの、中国が6.9%減少。欧州連合(EU)も2.2%落ち込んだ。EUの主要5カ国で増加したのはイタリア(7.6%)だけで、他はすべて落ち込んだ。減少幅はフランスが6.2%、オーストリアが5.8%、ポーランドが5.1%、オランダが4.4%。ロシアは27.9%縮小した。
1-3月期の輸出を主要製品分野別でみると、プラント・エンジニアリング機器(16.0%増)、物流技術(9.1%増)、精密工具(6.9%増)が大きく増加。食品・包装機械(7.5%減)と液体ポンプ(4.1%減)は振るわなかった。
3月の機械輸入高は76億ユーロで、前年同月を0.8%上回った。
1-3月期の輸入高は前年同期比6.4%増の206億ユーロに拡大した。最大の輸入先国は中国で、32.5%増の30億9,100万ユーロを記録。輸入全体の14.6%を占めた。伸び率はこのほか、米国(22.7%増の14億5,470万ユーロ)、日本(26.4%増の9億7,040万ユーロ)、トルコ(24.5%増の4億310万ユーロ)などで大きかった。