農産物の生産者価格、3月上げ幅は過去最高の35%

ドイツ連邦統計局が12日発表した農産物の3月の生産者価格は前年同月を34.7%上回り、統計を開始した1961年以降で最大の上げ幅を記録した。作物が42.1%、家畜・畜産物が29.5%の幅で上がった。前月比でも15.1%高くなっている。

全体を特に強く押し上げたのは穀物で、上げ幅は前年同月比で70.2%、前月比で31.3%に達した。世界市場のひっ迫がウクライナ戦争の勃発で大幅に強まった格好だ。

食用じゃがいもは前年同月比で91.7%上昇した。悪天候で収穫量が減ったことが大きい。比較対象の2021年3月は豊作だったうえ、コロナ規制で飲食店の需要が少なく価格が低迷していたことから、今年3月はその反動で上がったという事情もある。

菜種の上げ幅は70.1%に上った。戦争勃発で黒海地域からの供給が大幅に減ったことなどが響いた。

家畜は28.6%上昇した。飼料やエネルギー価格が高騰しているためで、上げ幅は牛で47.5%、豚で21.1%に上った。豚の価格が大きく上昇した背景には、牛肉価格の高騰で豚肉の代替需要が増えているという事情もある。牛乳価格は33.3%上がった。

統計局の13日の発表によると、穀物の3月の輸入価格は前年同月比で53.6%上昇した。米国、カナダ、オーストラリア、南米など主要産地の不作、肥料・エネルギー・輸送コストの上昇、ウクライナ戦争が響いた。上げ幅は小麦で65.3%、大麦・ライムギ・オート麦で65.3%、とうもろこしで37.4%に上った。

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